長岡京市に鎮座する長岡天満宮は北野天満宮など菅原道真をまつったお宮さんの一つで、道真が在原業平らとともにしばしば当地で詩歌管弦を楽しみ、後太宰府へ左遷された時に立ち寄ったと伝えられています。道真自身が「わが魂長くこの地にとどまるべし」と京の都を名残惜しんで刻んだ仏像を安置し祀ったのが当神社の創立と言われています。
 その後江戸初期に本殿の前に後に八条が池と名付けられた池が築造され、その真ん中を通る百㍍ほどの参道両側に樹齢百数十年のキリシマツツジが約八十株あります。キリシマツツジは霧島ツツジの意で九州南部の霧島山にちなんでの名です。写真は五分咲き程度ですがあと一週間もすれば細い参道の両サイドはキリシマツツジの真っ赤な花が壁のようにびっしり咲いて観光客を圧倒させます。そして大きな八条が池に満開のツツジが投影されるのも壮観です。池の回りにある遅咲き桜とも見事にさえます。(仲野良典)