3月28日に行われたスポーツジャーナリストの谷口源太郎さんによる「スポーツとマスコミ」と題する講演会で、谷口さんは、マスメディアが「スポーツの価値」を理論構築すべきと指摘しました。
 スポーツ報道の現状が、他者との関係を通して成立するという「共同性」や相手を通して新たな自分を発見し、また相手には何かを与えられるという「相乗性」など、スポーツ本来の価値にまったく目を向けず、選手をタレント扱いし、バラエティーショー化していると批判しました。
 また、日の丸ブランドを掲げ、客観的な比較・検証をせず、日本は必ず勝つ、勝たなければならないという勝利至上主義の画一的翼賛報道は、「ナショナリズムの高揚につながり危険だ」と警告しました。
 最後に、ローカルテレビはビッグなマスメディアに巻き込まれてはならず、地域住民をスポーツの主役にし、地域のスポーツ振興をバックアップすることが重要な役割ではないかと提言しました。(粟野賢)