乙訓革新懇は27日、乙訓職場革新懇準備会、乙訓地労協と共催で「派遣、パート労働と生きがいある社会」のテーマで長岡京市で講演会を開き60人が参加しました。
 講師は正規、非正規労働者の問題で活躍している龍谷大学の脇田滋氏。日本的雇用慣行が激変し、いまや「労働法のない世界が広がっている」と最近のタイガー魔法ビンの問題を引用しました。近年の雇用の地殻変動は若年労働者をめぐる新たな問題現象であることを強調しました。
 高卒予定者の求人がこの10年間で10分の1の18万人にへっており、フリーターや非正規雇用が急増していること。93年2月の270万人が、2001年2月には405万人。その約半数を15才~34才の若年層が占めていること。「フルタイムパート労働」がふえていると告発しました。
 正規労働者についても、ホワイトカラーエグゼンプションなど長時間、過労死を促進させる労働法制の改悪がすすめられ、このままでは労働組合がつぶされてしまうとのべました。
 今後の課題としてILO,EU諸国の労働基準からかけ離れた日本の現状を再確認すること。当面、非正規労働者の雇用と権利を優先したとりくみに力を入れること。韓国では「非正規労働」「撤廃」が労働者の合い言葉になっていると紹介しました。日本でも企業をこえた連帯、産業別の労働運動をつよめることが緊急の課題になっていると力説しました。
 参加者からは「さまざまな形で非正規の人を組織していくことの大切さを改めて感じた」「派遣労働者の増大と労働組合の弱体化が頭に残った」「正規労働者と非正規労働者の分断を政府、財界が狙っていること、その歴史的な流れが理解できた」などの感想が寄せられました。(梅林照夫)