京からかみの老舗「唐長」11代の千田堅吉氏(65)の個展が左京区の駒井家住宅(京都市指定有形文化財)で14日から3日間行われ、100人余が訪れました。
 千田氏が個展を開くのは2回目。今回は、修学院の工房に自生するナンテンやシダ、木切れなどを版木に見立てて色や箔を塗り、キャンバスに押して12点の作品に仕上げました。
 冬の空をイメージした作品には、ナンテンの葉で銀箔が押され、木切れで青の線、また刷毛で白い雲が描かれています。千田氏は「江戸時代、版木ができる前は自然の材料を使っていました。原点に戻ってみると、また新しいことに挑戦したいという意欲が湧いてきた」と話しています。
 駒井家住宅には、唐長で使われている机やランプなどの調度も持ち込まれ、「からかみのある暮らしを実感していただけたら」と11代妻の郁子さんらスタッフがもてなしました。