すい臓がんで死去した(13日)版画家で京都市立芸術大学名誉教授の吉原英雄氏(享年76年)の「お別れの会」が30日、京都市下京区のホテルで開かれました。約350人が参列し、吉原氏の業績を偲(しの)びました。
 実行委員長をつとめた梅原猛・京都市立芸術大学元学長はあいさつで「吉原さんの美しい芸術の陰には、芸術に対する長い間の苦労と人間に対する深い思いやりがあった」と生前を思い出し、声をつまらせました(写真)。
 妻の良子さんは「芸術家の同志・ライバル」として歩んだ50年間の結婚生活を振り返り、「吉原は最期まで画家以外の何ものでもなかった」と締めくくりました。
 吉原氏は、リトグラフによる版画の可能性にいちはやく注目し、日本の現代版画を切り開いてきた芸術家。京都市立芸術大学では、山本容子さんら後進の指導にあたりました。