2007年の干支は亥。亥にちなんだ寺院が東山は大和大路四条下る建仁寺の塔頭(たっちゅう)寺院の一つで建仁寺の南西の一角にある「禅居庵」(ぜんきょあん)摩利支尊天堂(まりしそんてんどう)です。この境内には、写真のような亥がたくさん祀(まつ)られています。石彫がほとんどですが、お堂の木製の欄間にも活き良い亥が刻まれて、5対と1頭の合計11頭の猪が祀られています。
 神社では狛犬ですが、摩利支尊天が使いである7頭の猪の背中に乗る像が納められたところから猪がたくさんあると伝えられています。禅居庵は1300年代に小笠原定宗が建立し、中国の禅師清拙正澄(同寺で入滅)が摩利支尊天像をもって入洛し祀られたという。
 平日でも老若男女が訪れて皆抜苦与楽と万民の飢餓が救われるよう祈願します。亥年にあたる今年、12年に一度の秘仏摩利支尊天の御開帳が6日から始まるとのことです。(仲野良典)