「『いじめ』問題を語るつどい」(京都教職員組合・京都市教職員組合主催)が3日、教育評論家の尾木直樹さん(法政大学教授)を講師に迎えて京都市左京区で開かれ、教職員や父母ら250人が参加。いじめ問題で意見を交流しました。
 藤本雅英・京都教職員組合委員長はあいさつで、教育再生会議の緊急提言について「いじめ問題を深刻化させた原因を解明せず、現場の実情とかけはなれた内容。教職員や子どもへの厳罰化では問題は解決しない」と批判しました。
 尾木さんは、いじめの定義や社会的な認識を歴史的に振り返りながら、今、求められるのは、いじめている側の子どもたちに、「いじめることで得られる安心感は、確かなものではなく、自分自身を傷つけ、不自由にさせている。自分自身を大切にするならいじめをやめる勇気を持って欲しい」と呼びかけることが大切と強調。現在のいじめの特徴やいじめを深刻化させている社会的背景、教育基本法「改正」でいじめが解決しないことなどを訴えました。
 意見の交流では、いじめを受けた体験をもつ女性やいじめで不登校、自殺へと追いやられた中学生の父親らが発言。いじめられている子どもの親に対する感情や子どもに話を聞いてあげられるような環境づくりの大切さが語られました。
 宮下直樹・京都市教職員組合書記長が、同労組の「今こそ人間的尊厳を守る教育を」の訴えを説明。いじめ問題解決のために保護者・地域と共同の取り組みをすすめることを呼びかけました。