JR山陰本線の騒音や振動に悩まされているとして、京都市下京区の重要文化財「角屋」の保存会と沿線の住民15人は6日、JR西日本を相手に、環境アセスメントの実施や防音壁の設置などの改善策などの措置をとるよう、大阪簡易裁判所に調停を申し立てました。
 騒音・振動で悩まされている地域は山陰本線の五条から七条までの区間で、76年に高架複線化されましたが、住宅密集地であるにもかかわらず防音対策などは施されませんでした。その後、列車本数の増加や高速化にともない、騒音や振動が激しくなりました。「角屋の静寂な風情が台無し」「電話が聞こえない」など日常生活に支障が生まれています。
 住民らは04年10月「JR山陰本線高架線列車騒音等被害対策協議会」を結成。翌年2月、京都府・市議会に請願書を提出(3月市議会、7月府議会採択)。JRとの協議を続けてきました。
 角谷保存会の中川清生理事長は「府議会、京都市議会でも請願書が採択されたにもかかわらず、JRはわれわれの要望を聞こうとしない。それで調停申し立てに踏み切った」と話しています。(H)