「ベッドをとりあげないで!」。28日、南区内で行われた介護ベッド取り上げを考えるシンポジウム(南区社会保障推進協議会主催)で、取り上げられた当事者やケアマネジャー、レンタル事業者らから切実な実態がのべられました。  
 長期入院を経て、介護ベッド使用を条件に在宅生活を送っていたという80代の女性は、「取り上げはショック。夜中にトイレに行けないとオムツになり、寝たきりの第一歩になってしまう。高い自費レンタルのベッドにしたが、柵もなく不便」と訴えました。
 介護ベッドのレンタル事業所職員は、引き揚げた利用者が購入した新しいベッドが合わず、「要介護3」に身体状態が悪化した事例を報告し、場内にどよめきが広がりました。
 ケアマネージャーからは、ベッドを使えるようになるために「本人の“状態悪化”を喜ぶ矛盾した心境」と語り、行政担当者は「厚労省の考えは給付費の抑制にある。現時点で独自対策はないが、もっと現場の声を出し合う場が必要」とのべました。