「子どもと教育・文化を守る伏見連絡会」は22日、伏見区内で「教育に愛とロマンを…歴史の中の教育基本法」と題して教育講演会を開催し、会場いっぱいの130人が参加しました。講師は教育評論家として活躍中の三上満さん。
 京都市教組新谷一男委員長が「京都市教委の昨今の競争と格差拡大の施策と、安倍政権の教育基本法改悪の動きなど子どもたちをとりまく状況は非常にきびしいです。だからこそ今一度、教育の原点は何か、教育とは何かを見つめ直す必要があり、三上満先生が最適だとお願いして来ていただきました」とあいさつ。
 三上満氏は看護学校校長での看護実習の分娩学習の時、「命の大切さ、そして命は自分のものであるとともにすべての人のものであるという尊さを持っている」ことを実感として学んだ経験からお話しを展開されました。憲法9条や教基法の改悪で戦争への道に突き進む危険性など随所で指摘。子どもの願いや喜び、そして「子どもたちの大好きなものは3つ、1つは『目当てをもってがんばる』、2つ目は『できた!』という喜びと、三つ目『よくやったね』というみんなの拍手」であり、これが教育基本法の神髄ではないか、安倍さんがいう競争教育では決してないと説明されました。そして、教基法の1,2や10条など一つずつ具体的な実践例やこどもの詩・文などを交えながらわかりやすく、時には笑いもあり、元気のでる楽しくわかる授業でした。そして強制や統制でなく「教育にゆとりと自由を」と強調されるとともに安倍教育構想である効率化、競争化、一層の格差拡大と国家意識を押しつけ子どもたちを駆り出す教基法改悪と憲法改悪を絶対許してはならないと訴えられました。(仲野良典)

 「輝け!子どもたち-子どもたちの育ちと教育基本法-」をテーマに、山科教育集会(同実行委員会主催)が、22日午後1時半から山科アスニーで行われ、父母・教職員・地域住民ら110人が参加し、子どもたちを守り育て、教育基本法改悪を許さない取り組みを進めていくことを誓い合いました。
 集会では、実行委員会代表の伊藤修子さんがこれまでに取り組んできた山科区の各中学校区毎に行われた6回の教育懇談会について報告を行い、教育評論家の三上満さんが講演を行いました。三上満さんは、「いま子どもが、子どもらしく、毎日を生きているだろうか」「自分が好きになるように育てられているだろうか」と問いかけ、自らの教師生活を振り返りながら、学校で子どもたちが教職員と共にくり広げているすばらしい教育活動を紹介しました。そして、それが憲法や教育基本法によって守られてきたことを強調すると共に、今行われようとしている教育基本法改悪によって学校が「さむざむとした競争、切りすての学校へ」と変質させられていく危険性を指摘しました。三上さんは最後に「教育にゆとりと自由、奪われてゆく二つの宝を取り戻そう」と、子どもたちを守り育て、教育基本法改悪を許さない取り組みを進めていくことを訴えました。
 その後、各参加者からの発言があり、教育現場からは「二学期制」「京都ジュニア検定」「劣悪な教育条件」などの実情が訴えられ、父母からは「子育て世代の悩み」「地域での子育て運動の取り組み」などについての発言がありました。
 最後に山科地区労議長から「行動提起」が行われ、参加者の大きな拍手で確認されました。(鏡山次郎)