カシノナガキクイムシ(カシナガ)によるナラ枯れ被害の問題で、「北山の自然と文化を守る会」などの市民団体が東山区内の山林で取り組んだ、つまようじを使った駆除活動の結果、シイやアラカシの枯死被害が大幅に減少していることが分かりました。
 19日、同区内で行われた駆除活動の報告会でのべられたもの。府内のナラ枯れ被害は、91年に大江山で発生して以降、徐々に南下。昨年8月には従来の南限を大きく超え、清水寺などの背後の国有林でカシナガが集団発生し、コナラやアラカシなど樹木200本以上に被害が出ていました。
 被害拡大を防ごうと、同会は、京都大阪森林管理事務所と協力し、被害木の伐採とあわせて、カシナガが卵を産む木の穴につまようじを打ち込み、集団発生を抑制する駆除活動を開始。東山自治体要求連絡会とともに今年2月から9月まで計9回の活動で約1万8000の穴をふさぎました。
 その結果、昨年の被害木230本に対して、今年は142本(9月末時点)に減少していることが確認されました。 
 同会の主原憲司さんは、「市民団体の取り組みとしては大きな成果。一方で、新たな被害発生も確認されており、行政による徹底した駆除対策が必要」と話しています。(写真=22人が参加した、「爪楊枝でカシナガ駆除」報告会=東山区、やすれぎ・ふれあい館)