9月30日から行われていた伏見の御香宮神幸祭(伏見祭)は8日、クライマックスの御輿(3基)や雌雄の大型獅々、猿田彦や稚児、武者行列の巡行が盛大に行われ大勢の沿道の人々が観覧しました。
 中でも、獅々若会の青年団による獅子巡行は有名で、入れ替わり立ち替わりしながら4人の担ぎ手が60キロもある重厚な獅々頭を支えて前後、左右、上下に乱舞する様は勇壮です。
 この雌雄2頭の木製の獅々は今年3月末に京都市の無形民俗文化財の指定登録を受けました。伏見の西方に流れ宇治川に注ぐ濠川(旧伏見城外堀)の南北に接する町々で青年団が組織されていますがその中核はかつて木屋町二条までの高瀬川水運に従事した人々の系譜を引いています。
 獅々は御輿の先払いの行道獅々(ぎょうどうしし)で、各家庭の門口で主婦や幼い子どもが、パクッと大きく開かれた獅々の口の中に頭をつっこめば邪気が払われ健康と家内安全、賢く元気な子どもに成長するとかで人気があります。小さな子どもは怖くて泣き叫んでも母親が抱いて獅子の大きな口に子どもの頭を入れます。
 写真は町々を各青年団が引き継ぎながら御香宮門前に帰還し、最後の札場青年会(青木義明会長)による乱舞している獅子です。 (仲野良典通信員)