20060917-07.jpg ウルトラマンやゴジラなどの生み出した円谷英二(1901ー07)が初めて特撮監督をした戦意高揚のための国策映画「海軍爆撃隊」(木村荘十二監督)が復元され、第5回京都映画祭(10月24日~29日)の中で上映されます。
 「海軍爆撃隊」は、海軍省後援で東宝が40年製作。中国大陸を舞台に、日本海軍の爆撃機が中国軍機の攻撃で被弾しながらも、基地に帰還するストーリー。実写を交え、空中戦や爆弾投下などで特撮を駆使しています。搭乗員役には若き日の宇野重吉の姿もあります。
 フィルムの存在が確認されていませんでした。今春、保有している収集家がいるとの情報を得た京都映画祭企画委員会は、デジタル版で復元することを条件に収集家から寄託を受けたもの。
 フィルムはもともと35ミリ、78分でしたが、寄託されたものは16ミリ、50分。同映画祭総合プロデューサーの中島貞夫監督は「海軍がPRのために再編集し、公民館などで上映したのでは」と見ています。
 円谷英二は、太平洋戦争開戦1周年記念に東宝が製作(海軍省後援)した国策映画「ハワイ・マレー沖海戦」(山本嘉次郎監督)で特撮監督として知られるようになります。戦後、戦意高揚映画製作に協力したとしてGHQにより東宝を公職追放(47年)され、52年に解除されました。
 「海軍爆撃隊」は、京都ドイツ文化センターで10月25日、午後16時20分と19時に上映されます。1000円(前売800円)。
 京都ドイツ文化センターTEL075・761・2188。