第7回京都国際マンガ展(24日まで、京都市美術館別館)で金賞を受賞したポーランドのパウェル・クチンスキー氏は本紙のインタビューに答え、受賞の喜びや平和への願いなどについて語りました。
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 今回このようなすばらしいマンガ展で金賞を受賞出来たことを、とても光栄に思います。私にとって戦争とはとても無意味なものでしかありません。それを今回の作品ではブラックユーモアで表現してみました。政治家は戦争の“正当性”を雄弁に語りますが、私はカートゥーンによってその考え方を変えたいのです。
 第2次世界大戦で、私の父方の祖父はドイツ兵と戦い負傷し、入院先で看護婦だった祖母と恋に落ちました。祖母はドイツ人でしたが、ドイツの政治を好きになることは出来ず、ポーランドに住むことを希望しました。2人から父が生まれ、私が生まれました。民族同士がけんかすることはあってもけっして武器を持って戦争してはならないと思います。
 今回の受賞で初めてアジアの地に来られたことはこの上ない喜びです。近年、絵画などは難解なものが多く見られますが、理解してもらいやすいカートゥーンという表現手段によって、これからも私の主張を人々に伝えていきたいと思います。