日本共産党京都府委員会は10日、「京都府知事選挙・府会議員補欠選挙の結果について」の声明を発表しました。
 4月9日投票の京都府知事選挙で、「民主府政の会」の衣笠洋子候補は、26万9740票・得票率34.4%を獲得し健闘しましたが、及びませんでした。
 「政治を変えたい」という府民のみなさんの願いにこたえることができず、極めて残念です。衣笠候補をご支持いただいた京都府民のみなさんに心から感謝いたします。全国からいただいたご支援にもお礼申し上げます。また、候補者として、終始、みんなを励まし大奮闘された衣笠洋子さんに、心からお礼と感謝を申しあげます。
 今回の選挙は、「“痛み”押しつけの冷たい官僚知事」か、「府民と心かようあったか女性知事か」を鋭い対決点としてたたかわれました。また、改憲の動きが急をつげる情勢のなかで、長年平和運動にたずさわった衣笠候補が、憲法9条をまもることを全国に発信しようと訴えた知事選挙でした。
 論戦では、子どもの医療費の小学校入学までの無料化や30人学級実現、国保料・介護保険料軽減、住宅改修助成制度創設などの緊急政策=「衣笠提案」をかかげ、自民党主導の府政28年のゆきづまりを批判した衣笠陣営が、終始、相手陣営を追いつめました。また、“暮らしが厳しい時だからこそ、憲法と暮らしをまもる「あったか女性知事」を”のよびかけには、多くの共感が寄せられました。その土台には、3万1000通のアンケートに示された、国・府一体の悪政に苦しむ府民の暮らしの厳しさがあります。この選挙戦をつうじて、日本共産党として、ゆきづまった「オール与党」体制に対して、広範な府民と日本共産党の共同にこそ、政治を変える力があることを一貫して訴えたことも重要でした。また、「京都に再び憲法知事を」とよびかけた7氏のアピールに、京都と全国から300人をこえるみなさんの賛同が寄せられたことも、この選挙の重要な特徴でした。
 投票率が史上最低の38.4%にとどまった背景には、府民のみなさんの「オール与党」批判、“相乗り”への批判があります。また、いまの政治に不信と怒りをもちながらも、「どうせ変わらない」というあきらめもあります。「一票で政治を変えよう」という私たちのよびかけを、有権者にとどけきって、府政転換の流れをつくりだせなかったことは、非常に残念です。
 山田候補の支持は、昨年9月の「オール与党」の衆議院選挙比例票の合計、111万票の46.5%にとどまりました。衣笠候補は、昨年総選挙での日本共産党の比例票19万票の139.5%を獲得しました。また、マスメディアの出口調査では、投票された無党派層の半数に近い方、民主党支持者の3分の1の方が衣笠候補に投票しました。
 これは、当たり前の暮らしと平和を願う広範な府民のみなさんと、「住民こそ主人公」をつらぬく日本共産党の共同にこそ、未来があることをあらためて示すものです。
 知事選挙と同時にたたかわれた伏見区府会議員補欠選挙では、わが党の上原ゆみ子候補が22737票、得票率33.8%を獲得しました。これは昨年衆議院選挙の伏見区の日本共産党比例票19108票の1.18倍にあたります。
 府民の深刻な暮らしの実態や、切実な要求は「まったなし」です。憲法9条をまもりぬく運動も重要な正念場を迎えています。今回の選挙で、「民主府政の会」と日本共産党が、悪政に敢然と立ち向い、府政の問題点を明らかにして、これを転換する政策を示してたたかったことは、今後に必ず生きるものと確信します。日本共産党は知事選挙でよせられた多くの府民の声と要求の実現、幅広い府民のみなさんと深くむすびついた暖かく強い党をつくって、国政・府政を転換することに全力を尽くす決意です。