6日から国会で審議が始まった医療改悪法案。府内各地の医師会長や老人会・患者会などから反対の声を紹介します。
弱者を守る姿勢が欠如
 今度の医療制度改革では、 人工透析患者の自己負担 (月収53万円以上)が月額1万円から2万円に引き上がるとされています。 医療は貧富の差に関係なく平等であるべきです。 高所得だからといって負担増を認めることは、 今後全体の負担増につながる恐れがあります。
 また、 障害者自立支援法で、 低所得の透析患者も負担増となりました。 小泉首相や厚生労働省は、「受益と負担」を繰り返し強調します。 透析患者は週3回の人工透析を受けることで、 生きていくことができるのです。 生きるために必要な基本的人権の1つです。
 これを「益」というのでしょうか。 治療のハンデから、フルタイムの仕事に就くことが難しく、収入が安定しない現状もあります。 弱者を守るという姿勢が欠けています。
 02年度の診療報酬改定でも、 透析中の食費が保険外となり、 多くの患者が負担増となりました。
 はっきり言って、 小泉首相になってから何一ついいことはありません。 かつて、 人工透析はお金のある人しか受けられない医療でしたが、 患者たちの必死の運動で現在の制度を築いてきました。 逆戻りさせないために声を上げていきたいと思います。
(「週刊しんぶん京都民報」06年4月9日付掲載)