府知事選で「活力京都の会」の山田啓二候補が各地で演説している内容をめぐり、「民主府政の会」は、「とんでもない事実を逆さまに描くもの」として、全面的に批判する見解を発表しました。
よくも言えたもの、「府立医大まで、5分、タクシーに乗って頂きたい」
 山田候補は「弱い人への支援に力を入れてきた」と自慢する演説を繰り返しています。
 「民主府政の会は、「『福祉』の心を投げ捨てた知事の『府民に冷たい』姿勢を端的に表しているのが府立洛東病院の廃止(05年3月)です。洛東病院は府のリハビリ医療の中軸を担ってきました。洛東病院廃止では、『5分間タクシーに乗って頂きたい。府立医大にリハビリセンターを整備する』(3月24日、東山個人演説会)と発言。
 演説の最後には『タクシー代はかかりますが…』と付け加える始末です。よくもこんなことが言えたものです。通院の往復にタクシーを使えという、患者の負担を考えない知事の冷たさです。
 そして、府立医大のリハビリ病棟の整備も完成は6~7年後のことです」とのべています。
「弱い立場の人に支援してきた」の実際は、負担増は当然と福祉の心を投げ捨て
 山田候補は「乳幼児医療の助成を充実」(選挙公報)、「子どもの医療費を拡充する」を一番の目玉にしています。
 「民主府政の会」は、「これは『国の医療改革とあわせ』というものです。『拡充する』というものの、いつまでに、どこまで引き上げるかは言いません。知事の言い分では、政府の『医療大改悪』とセットで、実施は2年後に先送りです」とのべています。
 また、「『障害者支援』も知事の自慢のひとつで、『障害者自立支援法のセーフティネットを作った』と演説しています。しかし、そもそも知事はサービスを受ければ負担は当然と、『受益と負担』と強調し、障害者の自立を損なう『応益負担』の導入そのものには反対しませんでした」としています。
 さらに、「『国保の補助金を190億円に引き上げた』という知事の自慢も、国の制度が変わった結果、国から市町村に出ていた補助金が府を経由することになっただけ。よく知っていてウソをついているのです」としています。
「現地・現場主義」を自慢するが…「台風23号のテスト」(自民府議)に落第
 山田候補は「台風被害、鳥インフルエンザで現場に飛び込み、がんばった」と、「現地・現場主義」を自慢しています。
 「民主府政の会」は、「台風23号来襲時は知事は海外にいて、日程をこなしたところで帰国したのです。しかも、マスコミも『土木事務所の統廃合で、初動体制に遅れ』(京都」)、自民党府議も『台風23号がテストをするように襲来。市民は不安だ』(舞鶴市・千歳議員)と酷評しています」とのべています。
 また、「知事は、耐震偽装、フェロシルト、日本海精錬のどれをとっても府の責任を果たさず、『府民の安全、安心を脅かす危機を見通せず、見抜けず、見逃したのでは、何の行政と言えようか』(「京都」の「凡語」)とまで言われて、何が『現地・現場主義』、『安全・安心』でしょうか」としています。
鳥インフルでは「危機管理」を自慢するが…自衛隊ばかり強調
 山田候補は、鳥インフルエンザ問題での「危機管理」を自慢しています。
 「民主府政の会」は、「知事は『危機来襲』という本まで出して、自分の『危機管理』への対応を自慢していますが、これには保守系議員を含め、『死亡鶏の処理など課題は山積み』と批判と不満が沸騰しています」とのべています。
 また、山田知事が「防衛庁に直談判した」(「京都」)、「全部自分で電話をかけた」(「毎日」)と自慢話をエスカレートさせていることについて、「民主府政の会」は、「これは昨年、『頑張った府職員のことをぜんぜん理解していない』と大問題になったものです。
 当時、石破前防衛庁長官は出版した『国防』で、自衛隊派遣の経過を『40代、50代の管理職がかり出されて、おじさんだからくたびれてしまう。みんな倒れてしまってもうできない』と要請を受けたと書き、府職員から『職員があげて取り組んでいるのに、こんな事実を言ったのは誰か』と批判がわきおこっていました。これに府理事者は必死で言い逃れようとしていました」としています。
 さらに、「知事が『全部自分で電話をかけた』(「毎日」)とは、この石破氏とやりとりしたのが実は知事であったことを白状したものです」とのべています。
「公共事業を1000億円も減らした」というが…ムダな開発を継続し、防災予算はバッサリ
 山田候補は「ムダな公共事業はやらない」(3月21日の公開討論会)と語っています。
 「民主府政の会」は、「公開討論会の発言どころか、知事は、京都市内高速道路、舞鶴・和田ふ頭建設は『いまさらやめられない』と継続をごり押ししています。反対に、必要な公共事業は大幅削減しています。河川防災、河川改良関係予算は99年105億円が、04年26億5000万円と4分の1に。防災のための砂防費は99年50億円が、04年22億円と2分の1に。減らされたのは府民の『安全』にかかわる公共事業です」としています。
 その上で、「中止した公共事業(南丹ダム、丹後リゾート公園、木津川右岸スタジアム公園で計700億円規模)も、世論と議会論戦で追い詰められて、『固執』から中止・見直しに変わったものです」とのべています。