宇治市立大久保小学校の敷地内に消防分署を移転する計画を進めている宇治市は、12月9日の市議会文教福祉、総務の両常任委員会に▽運動場面積を拡張する▽体育館を新築する─などとした「合築新基本構想 (案)」を提出しました。これに対し、合築計画の撤回を求める保護者らは「合築ありきの案は認められない」と反発しています。
 新案は、旧案で3階建てだった校舎を4階建て(1部5階)に積み増ししてグラウンド面積を確保するというもの。 文部科学省は 「(小学校の校舎は) 3階建て以上の建築はやむを得ない場合に限る」との指針を示しています。
 グラウンド面積は広くなったものの、高さ20メートルの校舎と高さ10メートルの体育館に挟まれたスペースの幅が5.5メートルしかないなど、消防分署移転の影響で手狭な学校とならざるを得ない点では旧案と変わりありません。
 市が新案を示したことについて、同小育友会役員の1人は「育友会への説明が一切ないまま再度合築ありきの案が出された。合築案に基づく市の説明会は受けられない」と怒っています。
 両常任委員会では、日本共産党の宮本繁夫、中路初音(文教福祉)、水谷修、坂本優子(総務)の4議員が新案の問題点を指摘し、合築計画の撤回を求めました。
(「週刊しんぶん京都民報」05年12月18日付掲載)